2000年頃に「ホット!ホット!」というオカマキャラのキレ芸でブレイクした藤井隆、最近では「逃げるは恥だが役に立つ」「真田丸」などのドラマのバイプレイヤーで活躍していますが、ミュージシャンとしても2002年から継続して活動をしていることを知っている人は少ないです。
芸人がCDを出す時には、大なり小なりネタをぶっこむのが普通ですが、藤井隆は最初からネタ要素ゼロ、音楽ファンに向けて全力の仕事をしています。
そこで、普段はキリンジやジャズを聞いていそうな耳が肥えた音楽ファンにもオススメできる、藤井隆のアルバムを紹介します。
藤井隆でイチオシのアルバム
2015年リリースの「Coffee Bar Cowboy」がイチオシです。
今までのアルバムでは、松本隆や小室哲哉などの作家陣に曲を提供してもらって、プロデュースも松本隆や本間昭光といったベテランにまかせていましたが、このアルバムでは10曲のうち5曲で作曲、しかもアルバムのプロデュースまで手がけています。
今までの経験上、ミュージシャンが本職でない人がセルフプロデュースすると、どうしても詰めが甘い感じに仕上がってモヤモヤする傾向がありましたが、このアルバムは本職のミュージシャンと同等以上の完成度です。
特に、1曲目の「YOU OWE ME」がビートの効いたダンスチューンで、最初聞いた時は「本当に芸人の藤井隆が作って歌ってるの?」と驚きました。
この「YOU OWE ME」をフューチャーしたCM動画がありますので、貼り付けておきます。
また、アルバムリリース時に、藤井隆のプロデュースをサポートした、NONA REEVESの西寺郷太との対談が音楽ナタリーで公開されていて、それを読みながらアルバムを聞くと、二人の思いの丈が知れて興味深いです。

更に余談ですが、西寺郷太のプリンス論の新書の、タイトルは文字通り「プリンス論」はプリンスマニアならおさえておきたい本です。
ロミオ道行(2002年リリース)
2002年にリリースのファースト・アルバムなのでかなり前の作品ですが、渋谷系やナイアガラ系あたりが好物な人には気に入りそうな、良質なポップスです。
総合プロデュースが「松本隆」なので、彼の人脈をフルに使って、田島貴男、筒美京平、キリンジ、ポルノグラフィティのブレーンの本間昭光など、まさに「渋谷系」を狙った作曲家陣です。藤井隆のボーカルははっきり言ってヘタッピですが、無骨ながらおしゃれ感ただよう雰囲気が渋谷系ポップスにマッチしてます。
キリンジやスティーリー・ダンが好きな人に聞いてほしいのは、5曲目の「リラックス」という曲です。
曲調がキリンジの4番目のアルバム「For Beautiful Human Life」あたりに似ていて、スティーリー・ダンの「幻想の摩天楼」に入ってそうな感じです。
オール バイ マイセルフ(2004年リリース)
以下のPVはアルバム1曲目の「わたしの青い空」ですが、作詞・作曲。編曲がキリンジの兄貴の方の堀込高樹で、キリンジでいうと6枚目のアルバム「DODECAGON」のようなエレクトリック・サウンドです。
なお、「わたしの青い空」のキリンジのセルフカバーは、「SONGBOOK」というアルバムで聴けます。
Coffee Bar Cowboy(2015年リリース)
冒頭で紹介しているので、省略します。
light showers(2017年リリース)
前作では藤井隆のセルフプロデュースでしたが、このアルバムでは作詞・作曲・シンガーに徹していて、良い意味で前作より「肩の力が抜けた」アルバムとなっています。
また、アルバムのコンセプトは、バブル景気の残り香がまだ残っていて、キラキラしていた90年代のCM音楽です。
アルバムのCM動画も、90年代のスキー用具の「アルペン」や「銀座ジュエリー」や「ミノルタ」っぽいな~ってパロディが続きます。
ぜひご覧あれ。
まとめ
ということで、セルフプロデュースでなおかつ最も完成度が高いアルバム「Coffee Bar Cowboy」をイチオシにしましたが、このページに上げたアルバムはどれも完成度が高いので、うるさがたの音楽ファンでも気にいるはずです。
アマゾンでは各曲30秒ほどの視聴ができるので、チェックしてみてください。
また、ファーストアルバム「ロミオ道行」から「Coffee Bar Cowboy」までのシングル曲中心とPVが詰まったベスト・アルバム「ザ・ベスト・オブ藤井隆」もおすすめです。
このページの記事は以上です。
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