松田聖子の1980年代の全アルバムをレビュー&おすすめ

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1980年代の日本のアイドル界では、松田聖子と中森明菜のツートップの時代でした。

普段は洋楽やニューミュージックを聞いている人でも、聖子と明菜のアルバムはチェックしているほど、有名アーティストが楽曲提供していたり、曲の完成度が高かったです。

そこで、このページでは聖子ちゃんが最も脂が乗っていた1980年代のアルバムを紹介します。

なお、聞き込んでいないアルバムはサラッと流しますが、何度も聞き込んだアルバムは詳しく紹介します。

 

SQUALL(1980年8月リリース)

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聖子ちゃんがシングル曲の「裸足の季節」でデビューするのが1980年の4月なので、デビューから4ヶ月という早い時期にリリースされた、ファースト・アルバムです。

聖子ちゃんがブレイクしたのがセカンド・シングルの「青い珊瑚礁」で、このアルバムにはファーストとセカンドのシングルが2曲とも収録されています。

アルバム全体の雰囲気としては、ジャケット写真が表すように南国のビーチのような、はじけた元気な曲が多いです。

あと、初期聖子ちゃんファンにとっては懐かしのニッポン放送のラジオ番組「夢であえたら」のエンディング曲の「潮騒」がラストを飾っています。

それから、聖子ちゃんはシングルの「白いパラソル」あたりから声変わりをしていて、いわゆる「キャンディ・ボイス」になりますが、この頃はまだ声変わり前で、声のトーンが低いです。

 

North Wind(1980年12月リリース)

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ズバリ、冬のイメージのアルバム。

アルバム収録されたシングル曲は、聖子ちゃんが初のオリコン一位を記録した「風は秋色/Eighteen」です。

1980年の「風は秋色/Eighteen」から1988年の「旅立ちはフリージア」まで、24曲連続シングルのオリコン一位となりました。

さて、アルバムの紹介に戻りますが、ファースト・アルバム「SQALL」の紹介でも出てきたラジオ番組「夢であえたら」のオープニング曲の「Only My Love」が収録されています。

また、アルバム発売時に聞いた時には、4曲目のボサノバ調の「冬のアルバム」という曲で、聖子ちゃんはこんな大人な雰囲気の曲も歌えるんだ!と驚いた記憶があります。

アルバムをよくよく聞いていると、声変わり中で声が出にくく、前作「SQUALL」のような歌い上げるのが困難になっているので、ウィスパーボイスでノドに無理がかからない歌い方に変えたのかな?というふうにも聞こえます。

 

Silhouette(1981年5月リリース)

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このアルバムはシングル曲「チェリーブラッサム」と「夏の扉」が収録されていますが、両曲の作曲者の財津和夫がシングル曲ふくめて5曲を提供しているので、財津和夫のカラーが強いアルバムです。

財津和夫はバンド「チューリップ」やソロ活動で1970年代に多くのヒット曲を出したニューミュージック界のスーパースターで、有名な曲では「心の旅」「切手のないおくりもの」「サボテンの花」「青春の影」があります。

財津和夫の提供曲で注目したいのは、アルバム3曲目の「Sailing」で、曲調としてはアメリカのロックバンドの「ドゥービー・ブラザーズ」の「ホワット・ア・フール・ビリーヴス」に似ています。

この曲では、あきらかに今までのアイドル・ポップスから、ニューミュージックにシフトチェンジした感を受けました。

個人的な見方かもしれませんが、この「Sailing」をきっかけとして、このあと大滝詠一や松本隆や細野晴臣といった「はっぴいえんど」コネクション、さらに松任谷由実といったニューミュージックの作家が多数参加する流れになった、とにらんでいます。

 

風立ちぬ(1981年10月リリース)

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アルバムのトータルでの完成度の面で言えば、おそらく聖子ちゃんのアルバムでナンバーワン。

更に言えば、大滝詠一が全面的にかかわったA面は、日本ポップス界の記念碑的な作品です。

ということで、アルバムのA面はすべて「はっぴいえんど」の大滝詠一が作曲・編曲で、A面が「大滝詠一サイド」、B面が財津和夫・鈴木茂・杉真理の「複数作家のバラエティサイド」となっています。

アルバム全曲の作詞は、「はっぴいえんど」の松本隆で、これ以降1980年代のアルバムのほとんどで関わってきます。

松本隆が後に時々いろいろなところで言っている、松田聖子というボーカリストを多数の作家陣でバックアップして盛り上げる「松田聖子プロジェクト」の始まりが、このアルバムです。

 

Pineapple(1982年5月リリース)

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このアルバムは、普段はアイドルには興味がない洋楽ファンの知人達にも人気があり、ウォークマンやカーステレオでよく聞いた、という話をちょくちょく聞いたことがあります。

聖子ちゃんの代表曲であり、松任谷由実(呉田軽穂)と初めて組んだシングル「赤いスイートピー」を収録しています。

「赤いスイートピー」の時に、トレードマークであった「聖子ちゃんカット」からいきなりショートカットになって、世間がビックリした記憶があります。

また、前作の「風立ちぬ」の頃までは、曲によっては「声が出しにくいのかな?」と思うものもありましたが、このアルバムでは完全に聖子ちゃん特有の「キャンディーボイス」が安定しています。

さて、アルバムの収録曲は前作の大滝詠一の曲は一曲もなく、作家陣としては松任谷由実(呉田軽穂)、原田真二、来生たかお、財津和夫とバラエティに富んだ布陣です。

そういう意味では統一感が取れたアルバムのイメージでなく、ポップな曲からバラードやボサボサまで盛り沢山です。

特に、このアルバム以降は参加していない来生たかおの1曲目の「P・R・E・S・E・N・T」と3曲目の「ひまわりの丘」が夏らしくポップながら、かすかな憂いを帯びている曲調が素晴らしい。

また、原田真二提供の「パイナップル・アイランド」と「ピンクのスクーター」も、アイドルポップスらしくないプログレッシブな感じがしていい。

特に、洋楽ファンの知人達には「ピンクのスクーター」が人気がありました。

さらに、聖子ちゃん作家陣では古株の財津和夫の「LOVE SONG」と「水色の朝」は、聖子ちゃんのハスキーなキャンディーボイスに合った、しっとりとしたバラードで素晴らしい。

 

Candy(1982年12月リリース)

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このアルバムも楽曲のクオリティが高い!

前々作の「風立ちぬ」から久しぶりに大滝詠一が復活で2曲を提供しています。

また、当時の歌謡界を席巻していたYMO細野晴臣がついに参加して、2曲を提供しています。

5曲目の「ブルージュの鐘」はアイドルポップスとしては重厚なサウンド、一方9曲目の「黄色いカーディガン」は、このままシングル曲としても出せそうなキャッチーでカワイイ感じの曲です。

さらに、古株の財津和夫も2曲提供していますが、1曲目の「星空のドライブ」がアルバム1曲目にふさわしいノリの良い曲、3曲目の「未来の花嫁」は今のアイドルでも十分歌えそうな可愛い曲です。

しかし、財津和夫という人は、いつも聖子ちゃんにピッタリした曲を提供できるなぁ、とプロの仕事ぶりに感心してしまします。

 

ユートピア(1983年6月リリース)

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前作の「Candy」が可愛い感じの曲が多かった一方、このアルバムは夏発売ですが少し大人になった聖子ちゃんのイメージです。

というのは、A面の1曲目の「ピーチ・シャーベット」と2曲目の「マイアミ午前5時」がミディアムテンポの曲調で、3~4曲目がバラード、5曲目のシングル曲「天国のキッス」でアップテンポな曲調のためでしょう。

B面になると、甲斐バンドの甲斐よしひろ作曲の「ハートをロック」でパンチの効いた曲ではじまり、2~5曲目までミディアムテンポやスローな曲が続きます。

ということで、このアルバムは同じく夏に発売になった1年前の「Pineapple」の元気いっぱいとは違った、大人の落ち着いた夏のアルバムです。

 

Canary(1983年12月リリース)

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渋い!といった雰囲気のアルバムです。

大人の落ち着いた雰囲気は、前作の「ユートピア」から顕著になっていましたが、このアルバムはミディアムテンポやバラードが多く、アップテンポな曲はA面は1曲目の「BITTER SWEET LOLLIPOPS」と3曲目の「Private School」、B面は1曲目の「LET’S BOYHUNT」の3曲だけです。

このアルバムを聞いた当時は、ちょっと大人の雰囲気に寄せ過ぎで、やりすぎじゃないか?、とも思いました。

 

Tinker Bell(1984年6月リリース)

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前々作「ユートピア」と前作「Canary」の大人路線の揺り戻しか、ポップな曲が多くなりました。

バラードは3曲目の「いそしぎの島」と7曲目の「不思議な少年」だけで、しかもメジャーコード(長調)なので、ポップなイメージのアルバムです。

 

Windy Shadow(1984年12月リリース)

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ジャケット写真からは、外国の雑誌の表紙のような華やかなイメージのアルバムです。

このアルバムでは、佐野元春(Holland Rose名義)が2曲提供しています。

佐野元春がラジオで話していましたが、これ以前から何度も聖子ちゃんの曲を書いていたが、何度もコンペで負けてなかなか採用されない、と言っていました。

この話を聞いた時に思ったのは、佐野元春のような当時第一線で活躍していたアーティストの楽曲でも容赦なくボツにするんだなぁ、ということと、それだけ厳しいコンペをして曲を選んでいるから、聖子ちゃんのアルバム曲はクオリティが高いんだなぁ、という2点です。

個人的には、聖子ちゃんのアルバムは、この「Windy Shadow」と次の「The 9th Wave」の2枚が一番好きです。

 

The 9th Wave(1985年6月リリース)

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これは聖子ちゃんのアルバムでは、異色作。

というのは、このアルバムだけ松本隆が参加していないんです。

そういう視点でこのアルバムを見てみると、今までもアルバムに参加していた原田真二と杉真理に加えて、女性作家の吉田美奈子・尾崎亜美・矢野顕子といったメンバーが参加しています。

このアルバムで特徴的なのは、編曲の大村雅朗のアレンジ仕事が、いつもよりもましてアグレッシブなところです。

たとえば、1曲目の「Vacancy」では、短いイントロに続いて聖子ちゃんのアカペラが始まり、しばらくそれが続いて急にエレクトリックでビートが効いたバックトラックが始まります。

また、4曲目の「両手のなかの海」では、ピアノ調のイントロの後で、80年代中盤に一世を風靡したイギリスのロックバンド「アート・オブ・ノイズ」のような「ダンッ!ダンッ!」といった、ドラムの音を電子加工して短くスッパリ切った、いわゆる「オーケストラヒット」サウンドが展開されます。

ということで、アルバムの全曲の編曲者をしらべると、すべて大村雅朗ということが判明しますが、これはいつもの松本隆が不在のため、大村雅朗が全力で「今までやりたかったこと」をぶち込みました、と推理します。

 

SOUND OF MY HEART(1985年8月リリース)

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SUPREME(1986年6月リリース)

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松本隆が作詞で復活、かたや常連の編曲担当の大村雅朗は不参加、といったイレギュラーなアルバムです。

しかも、聖子ちゃんが産休中にリリースされたアルバムで、シングル曲が一曲も収録されてないという点でも異色作です。

しかし、収録された曲はシングル曲よりも有名かもしれない「瑠璃色の地球」をはじめ、クオリティが高い楽曲が揃っています。

特に、1曲目の「ほたるの草原」が静かに始まって徐々に盛り上がるところや、2曲目のタップダンスをモチーフにした「上海倶楽部」がオシャレで、1から2曲目のつながりが素晴らしい。

また、聖子ちゃんの楽曲提供に初参加の大沢誉志幸の8曲目の「雨のコニーアイランド」も、大沢らしい屈折したファンクっぷりが異色で、いいスパイスになっています。

 

Strawberry Time(1987年5月リリース)

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出産後初のアルバムですが、ジャケット写真では花の冠フリフリでアイドル健在をアピールが素晴らしい。

聖子ちゃんの楽曲提供に初参加の、レベッカの土橋安騎夫の1曲目「Strawberry Time」や、バービーボーイズのいまみちともたかの2曲目「裏庭のガレージで抱きしめて」が、普段の彼らのバンドサウンドとは全く違い、以外にも聖子ちゃんに合っててとてもいい曲です。

 

Citron(1988年5月リリース)

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Precious Moment(1989年12月リリース)

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まとめ&おすすめ

以上、長々と紹介してきましたが、聖子ちゃんビギナーの方には、聞きやすくていい曲が詰まっている次の3枚をオススメします。

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以上の3枚のアルバムを聞いて気に入った人は、他のアルバムもチェックしてみてください。

 

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